活動報告 2026年
老年医学会東北地方会に行って参りました
令和8年10月31日(土)に福島市で開催された第37回日本老年医学会 東北地方会(於 コラッセふくしま)に参加してきました。
今年から当教室主任教授の菅野厚博先生が老年医学会東北支部長に就任しました。当教室からも複数名の演題を出しました。住友和弘先生が一般演題の座長を務め、藤川祐子先生が「早期体験学習における医学生による認知機能評価の試み」、冨田尚希先生が「5Msを軸とした螺旋型老年医学卒前教育の設計と履修前学習ニーズ」を発表し、活発な質疑が行われました。
また研修医の坂倉佑哉先生が総合診療科ローテーション中に経験した「両下腿のしびれ感・発熱からマルチモダリティー画像診断を用いて巨細胞性動脈炎の臨床診断し治療に結び付けた症例」について堂々と発表し、発表後にはリウマチの専門の先生から親しくアドバイスをもらうことができました。
写真は福島市のわらじ祭りのシンボルの大わらじの前で撮ったものです。「健脚祈願」と書いており、この学会のフレイル予防にも通じるようでした(写真左から住友、冨田、坂倉、大原、菅野)
文責 大原

「2026年度 総合診療科ホームカミングデー」を開催しました。
「2026年度 総合診療科ホームカミングデー」
※「総合診療科ホームカミングデー」は、当教室の専攻医・修了生等が集まり、日々の診療や研修について情報交換を行うとともに、所属施設を越えて交流し、互いに学び合う場として開催しているものです。
10月に入り、呼吸器感染症での受診頻度が増える時期になってきたことや、特に上気道感染症では漢方薬の使用を検討される症状が多いことから、漢方薬のセミナーを行う運びとなりました。
この度は、山田先生に「呼吸器感染症の漢方治療-感冒(かぜ症候群)を漢方で治してみよう!-」の演題にて漢方のご講演をいただきました。
漢方治療の大元となる原典についての説明から導入し、葛根湯の適応となる証の説明、傷寒論(かぜ症候群の症状は傷寒論に該当)をベースに太陽病、陽明病、少陽病、太陰病、少陰病、厥陰病の六経分類と病気に相当する漢方薬の治療、病期が併存する場合の治療や概念についてお話しいただきました。
また、咳症状のある場合などの漢方薬の使い分け等についても詳細にご講演いただきました。
どのような交流となったか
今回はZoomにてご講演いただく形となりましたが、内容が興味深く活発に質疑応答がされるような実りの多い会となりました。
今後につなげたいこと
今後は漢方の診察に関してハンズオンもできるようなセミナーができればと考えております。
参加した先生方への一言
西洋医学の薬では対応が難しい症状へのアプローチ手段の一つとしてこれからも漢方医学への見識を深めていければと思っております。
(文責:酒井)


AMSA Japan 40周年記念式典に参加しました ― 国際保健・総合診療を通じた新たな連携へ ―
2026年9月、帝国ホテルで開催されたAMSA Japan 40周年記念式典に、当教室の山方俊弘が参加しました。
AMSA Japan(Asian Medical Students’ Association Japan)は、医学生を中心として国際保健や医学教育、国際交流などに取り組んできた学生団体です。今回の記念式典には、現役学生に加え、各地で活躍するOB・OGなど約80名が参加し、40周年という節目をともに祝いました。式典後には近隣のタイ料理店で懇親会も行われ、世代や所属を越えた交流の機会となりました。
当日は、帝京大学で総合診療・公衆衛生領域に関わる教授をはじめ、厚生労働省で勤務する医師、WHO西太平洋地域事務局の職員、千葉大学の総合診療医、東京都立多摩総合医療センターの総合診療医など、国内外のさまざまな場所・分野で活躍する医師や医療関係者が参加していました。
交流の中では、今後の東北医科薬科大学病院および当教室との教育・診療・人材交流についても話題となり、新たな連携を考えるきっかけとなりました。また、国内の医療機関との連携にとどまらず、海外や厚生労働省などを含めた人事交流・研修の可能性についても意見交換を行うことができました。
本学からも医学部6年生柏村君が参加しており、学生同士、そしてさまざまなキャリアを歩む先輩医師との交流を深めていました。
地域医療を重要な使命の一つとする本学の学生にとっても、地域を診る視点と同時に、国際保健や公衆衛生といった広い視野を持つことは大切だと考えます。地域に根差しながらも世界に目を向け、さまざまな人や組織とつながりながら学びを深め、将来、本学の理念を体現する医師として国内外で活躍してくれることを期待しています。
今回得られたご縁を、今後の当教室の教育・研修・人材交流にもつなげていきたいと思います。

第16回日本プライマリ・ケア連合学会東北ブロック支部学術集会 @秋田に本教室員と学生さんが参加・発表してきました
2026/9/26, 27に日本プライマリ・ケア連合学会(総合診療系で最もcommonな学会)の東北ブロック支部学術集会が秋田市で開催されました。東北のそれぞれの地域を支える(中で総診を選んだ人にほぼ限られますが)同志が集まる貴重な機会です。
爽やかな晴天の中、駅前は他のイベントが重なっていたのもあり、新しい商業施設にたくさん人が賑わっていました。駅のすぐ近くには清浄な空気が流れる城跡(千秋公園)があり、今回の学会会場は公園のふもとにありました。
そんな傍からみた駅周辺の良さの裏で、秋田県の人口は10年間につき13~14万人(-約15%)という想像もつかないペースで減少しており(自然減だけでなく人口流出の影響もあります)、県の中心部である秋田市も、それに比べると緩やかではあるものの人口減の例外にはありません。さらに秋田は県全体として都道府県別の高齢化トップを走っています。1日目の特別講演ではそういった話題が話されました。
医療福祉職の人はこれから誰でも需要と供給のダイナミックな変化を肌に感じることになると思います。確実性の高い人口の未来予想図をあらかじめ知っておくことが重要と感じる一方で、私たちの多くはそうした課題にマクロな介入をできる立場になく、身近な地域で各々やっていくしかないのか?ともどかしい思いもします。
1日目の終わりには全体の懇親会と別に当大学からの参加者で集まり秋田の美味しいご飯を堪能しました。2日目には一般演題があり、当科から2人(研修医、専攻医)が立派に発表しました。ほか、地域で暮らす高齢者の仮想事例を基に、どう支えるかを参加者で話し合って考えるワークショップ企画もありました。
(文責:山並)


2026年8月8日・9日、仙台国際センターにて「第33回日本病院総合診療医学会学術総会」が開催され、当教室からも複数の教員が参加・発表しました
日本老年医学会とのジョイントシンポジウム
8月9日には、日本老年医学会とのジョイントシンポジウム「複雑な症例をどう診るか―総合診療とCGA・5Ms」が開催され、当教室の菅野厚博教授、冨田尚希准教授が座長を務めました。
本シンポジウムでは、複数疾患や身体機能低下だけでなく、心理・社会的問題、患者本人の価値観、家族背景などが複雑に絡み合う症例について、総合診療と老年医学それぞれの立場からどのように捉え、評価し、支援につなげるかが議論されました。
総合診療で用いられるBPSやPCAMなどの考え方と、老年医学におけるCGAやGeriatric 5Msについて、「症例の抽出・評価・要約・共有・対応」という診療プロセスに沿って比較し、それぞれの特徴や共通点、相互補完の可能性について活発な討論が行われました。
シンポジストとして、緩和医療学教室の山方俊弘助教から病院総合診療・緩和医療における複雑症例へのアプローチが紹介され、名古屋大学の松井陽祐先生、大阪大学の藤本拓先生からは、5Msを用いた高齢者診療の実践についてご講演いただきました。
当教室・本学からの一般口演
一般口演では、当教室の藤川祐子先生が「ビタミンB12欠乏性貧血との鑑別を要した発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の1例」を発表しました。
ビタミンB12欠乏を示唆する所見を認めながらもLDH高値が持続した症例について、経過を丁寧に再評価することでPNHの診断に至った症例を報告し、日常診療において幅広く鑑別を考えることの重要性が示されました。
また、緩和医療学教室の山方俊弘助教からは、「パンデミック下の行動制限と高齢者への健康影響:次回感染症流行に向けた地域医療への示唆」が発表されました。
庄内地域を対象とした診療録解析とアンケート調査から、COVID-19流行下における身体活動や社会交流の減少と、不眠・転倒・骨折などの健康影響との関連を検討し、今後の感染症流行時には感染対策と並行して、高齢者の身体活動や社会参加を維持する地域支援の重要性について報告しました。

編集後記:
今回の学会を通じて、山形・岩手・青森や仙台市内など、東北各地の先生方との新たなつながりも生まれました。今後、教室間の連携や大学院を通じた教育・研究交流にもつなげていきたいと考えています。
令和8年度第1回東北医科薬科大学老年地域医療学教室(総合診療科)医局説明会を開催しました
令和8年7月24日、東北医科薬科大学福室キャンパスにて、医学生・研修医を対象とした令和8年度第1回医局説明会を開催しました。
当日は、菅野厚博教授から当科の総合診療専門研修プログラムについて、住友和弘准教授から分院である若林病院の特色と魅力について、相原晃暢先生から専攻医として経験した学びや研修プログラムの魅力について、それぞれご紹介いただきました。
説明会終了後には懇親会も開催し、参加者と教員・専攻医が交流を深める貴重な機会となりました。
当教室では、今後も医学生・研修医を対象とした説明会や病院見学を通じて、総合診療の魅力を発信してまいります。


編集後記:
相原先生のお話で、ホタテ漁がそこまで稼げることを初めて知り、驚きました。
